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新たな材料の機能性とプロセス開発を共に実現したい|味の素ファインテクノ株式会社

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味の素ファインテクノ株式会社 新領域開拓部長 影山裕一氏

味の素ファインテクノ株式会社(以下、AFT)は味の素グループにおけるファインケミカル事業の中核を担う企業だ。今回、2021年9月から10月の2ヶ月間、社内の研究員がL-RADの研究アイデアを集中的に探索し、アカデミアとの新たな共同研究の創発を図る。その狙いを、新領域開拓部長の影山氏に聞いた。

研究員の発想を拡げる

AFTはアミノ酸や核酸を合成する際に生じる中間体からエポキシ樹脂硬化剤を開発したことに始まり、以来価値の高い材料を生み出し続けている。主力製品である味の素ビルドアップフィルム®(以下、ABF)は、有機物であるエポキシ樹脂や硬化剤と、無機物の微粒子を均一に分散混合させ、絶縁性と高い加工性を併せ持つ世界初のフィルム状絶縁材として全世界の主要なパソコンのほぼ100%に用いられている。ここで培った技術をもとに、電子材料、機能性材料、活性炭の3つの事業分野を展開し、自動車、建設、食品、化学品精製、排水・廃棄処理など、暮らしを支える様々な業界に材料提供を行なっている。出口側のニーズを捉えた開発の中で培った“合成”“配合”“分散”の要素技術に、BtoBの開発では出てこない発想をぶつけることで、要素技術の応用の幅を広げる新しい技術を生み出すきっかけとして、同社が注目したのがL-RADに眠るアカデミア研究者の未活用アイデアだ。社内の研究員がL-RADを探索し、共同研究アイデアを社内提案する期間を計画的に設けることで、アカデミアとの連携から新規の研究アイデアが生まれるプロセス作りを目指すのだ。

従来の材料の限界を打ち破る研究アイデアに期待

L-RADの探索のポイントは、AFTが培った“合成”“配合”“分散”の要素技術や製造プロセスとの結合だ。例えば、上述のABFは分子の配合設計が肝になっているが、この技術・ノウハウと、アカデミアの研究者が創り出す材料の新しい機能性や概念を掛け合わせることで、従来の材料の限界を打ち破るような素材の開発に繋がると期待しているのだ。L-RADを探索する研究員は、配合設計を軸に、各々に、有機・無機を混ぜ込む分散技術、充填材の表面処理、材料の電気特性の設計などといった得意分野をもっている。「新規の合成反応に限らず、機能性分子を使った材料開発、あるいは研究現場での合成反応の効率改善や材料の性能評価等の研究も、探索の対象になります。弊社研究員と、アカデミアの皆さんの得意分野や困りごとを重ね合わせる中で、双方の研究が加速する共同開発を図りたい」と影山氏は語る。L-RADに登録することで、素材開発に関わる研究が加速する可能性のあるこの機会にぜひアプローチしてほしい。

(文・神藤拓実)